
こんにちは!DENKO-SEKKA04です!
こちらの記事は

- 臨床開発モニター(CRA)になりたいけど、英語に自信がない!
- TOEICでどれくらいの点数があればいいの?
- 実際の仕事ではどんな風に英語を使ってるの?
と、臨床開発モニター(CRA)を目指す就活・転職者さんのモヤモヤを解決できる記事です!
昨今はグローバル治験が国内で多く実施されるようになり、たくさんの就活/転職サイトでは、臨床開発モニター(CRA)には「高い英語力」が必須と紹介されています。
「高い英語力が必須」としても、具体的には
- どんな業務で英語が使われているか
- どれくらいの英語力があれば臨床開発モニターになれるのか
- 英語に自信がない場合はどうしたらいいのか
といったところが気になりますよね。
そこで本記事では、現役の臨床開発モニター(CRA)として働く、私だからこそ知っている「臨床開発モニター(CRA)に必要な英語力」についてまとめてみました!
グローバル治験の経験もあり、今もなお最前線で働く臨床開発モニター(CRA)からリアルな情報をしることで、臨床開発モニターを目指すあなたの就職/転職活動に役に立つはずです。
是非就活や転職活動の参考にしてみてくださいね。それでは早速みていきましょう!
本記事のポイント
- CRAは高い英語スキルがなくてもなんとかなる!
- 将来的には英語スキルが必須になるので、継続的な努力は必要!
- 就職/転職活動時に、英語スキルがなくても過剰に心配することはない。ただし、高い英語力があれば強いアピールポイントになること間違いなし!
臨床開発モニター(CRA)と英語力:要求されるレベルは環境で異なる
まずは前提として、臨床開発モニター(CRA)に求められる英語レベルの全体像についてご紹介。
一言に要求される英語力といっても、周りの環境によってどこまでの英語力が必要なのか変わってきます。その環境の要素は主に以下3つ!
- 担当する治験の種類
- 所属する会社
- 臨床開発モニター(CRA)の役職
上記の要素がどう組み合わされるかで、要求されるレベルが変わってきます。
それぞれの要素について見ていきましょう。
環境要因①:担当する治験の種類
一言に治験といっても、色々な種類・形態がありますが、実施する場所(国)で、主に二つに分けることができます。それが以下2つ。
- ローカル治験(国内試験)
- グローバル治験(国際共同治験)
ローカル試験は、別名国内試験と呼ばれ、日本国内のみでの当局承認を目指す治験です。そのため、治験に関わる書類はすべて日本語ですし、関係会社で働く方々も日本人なのでもちろん日本語で話が通じます。
一方、グローバル試験(国際共同治験)はその名の通り、同じ治験を世界の各国で同時に行うイメージ。例えば、日本、アメリカ、イギリスの3か国で同じ治験を進めるといった感じです。
そして、ご察しの通り、グローバル試験では共通言語が英語。そのため、英語の書類を読んで、英語で報告書を書いて、英語でアメリカとの電話会議に出たりする必要もあったります。

治験は患者さんの命に係わったり、疾患に対して複雑な薬効機序だったりと、日本語でさえ実施・理解が難しい面があります。そこに英語が加わると、治験全体の難易度がぐっとあがります。
環境要因②:所属する会社
こちらは会社の形態ですね。外資系 or 内資系で大きく変わってくるという話。
例えば、外資では先ほど紹介したグローバル治験が活発に行われているので、英語は日常的に業務で触れます。治験業務以外にも、社内業務でも英語を使って資料を作成したり、PCの設定が全て英語のところもあるようです(日本語設定にはできない笑)。
一方、内資系の会社であればローカル試験がメインのため、前述の通り、英語はほとんど使いません。海外展開を狙っているとか、論文を読むためとか、イレギュラーな業務には英語もついてきますが、外資ほど日常的に英語は使用しないと考えてよいでしょう。
環境要因③:臨床開発モニター(CRA)の役職
CRAの役職によって求められる英語力が大きく変わってきます。
一般的なCRAの場合:ライティングとリーディングがメイン
いわゆる一般的なCRA、治験において担当施設をもってモニタリング業務を主とする場合は、主に英語の読み・書きがメイン。
治験を進める計画書や手順書が英語で記載されているので、それを読んで施設(病院)側に説明したり、日々の活動記録を英語で書いたりします。

具体的なCRAの英語に関する業務は後ほど紹介しますね!
PMやプロジェクト管理側の場合:リスニング、スピーキングも必要に
依頼者側の治験チームを見ると、会社によって配置の仕方・呼称については異なりますが、CRAの上には、CRAを束ねる役割の方=プロジェクト管理を担当する方がいます。(ここでは、PM(プロジェクトマネージャー)とします。)
CRAが施設のモニタリングを担当するのに対し、PMはCRAのリソース管理や各ベンダー(検査会社やシステム会社等)との契約窓口、別会社のグローバル担当者と会議したりと、試験全体に携わる業務をメインとします。
そのため、PMクラスになると、英語の「読み・書き」に加えて、「聴く・話す」の能力も必要。
取引先が海外の場合は、電話/web会議に出席して、英語での会議を聞いて、各種議題に対して議論を述べたりする感じです。

CRAよりも一層高い英語力が要求されます。
臨床開発モニター(CRA)と英語力:こんな業務で英語を使う
さて、まずは前提としてCRAに求められる英語力は外部環境によって、変わってくることをお話ししました。
ここからは、

じゃあCRAは具体的にどんな業務で英語を使うの?
という疑問にお答えしていきたいと思います。

ここでは、モニタリング業務を主担当とする、一般的なCRAの業務を紹介しますね。
臨床開発モニターはここで英語を使う!主な業務3選!
- 英語で書かれた治験の計画書や手順書を読む
- 英語でモニタリング報告書を書く、問い合わせのメールを書く
- 英語のシステムを使う
①英語で書かれた治験の計画書や手順書を読む
まずは英語のリーディングに関する業務。
先ほどご紹介の通り、グローバル試験では治験に関わる書類が英語のことが多いです。
そのため、CRAは英語で書かれた書類や手順書を読んで、理解し、実際のモニタリング業務に従事しなければなりません。
例えば、施設に訪問する前に、どんな書類を、誰が作って、誰の承認を得て、誰に・いつまでに提出して、原本の保管方法はどういう風に保管するのかといった感じで、色々な業務の順番/やり方が英語で書いてある手順書を読んで、行動するイメージ。

アルバイトのマニュアルが全て英語になっている感じでしょうか。
ただ多くの場合、日本語版も同時に作成されるのでご安心を。
ほとんどのCRAが、日本語版で大枠を掴んでから、英語で正式な内容を把握するようにしています。

日本語版があるのなら、英語版なんていらなくない??
という声も聞こえてきそうですが、この場合、あくまでも英語が原本(オリジナル)、日本語版は参考資料という立ち位置になります。
そのため、治験を実施する際に遵守すべきはオリジナルの英語版の手順書となります。
日本語版で「~をすること」と記載されていても、英語版では「should」なのか「have to」なのか「must」なのかで大きくニュアンスが異なってきますよね。
そういった翻訳の際に起こりうる表現の仕方などもあり、日本語版はあくまで参考資料、必ず英語版を確認する必要性が生まれてきます。
②英語でモニタリング報告書を書く、問い合わせのメールを書く
続いては、英語のライティング。
主な業務としては、モニタリング報告書の作成になります。
モニタリング報告書は、CRAが施設訪問をしたり、資料の授受を行ったり、治験を実施するうえで重要な協議を行った場合に作成する書類のこと。簡単にいえば、CRAが実施したお仕事の業務報告書です。
この報告書は、繁忙期になると1日●十通書く必要があります。
しかも、「行動日から3日以内」と提出期限も定められてるため、施設への出張もこなしながら、上手く時間を見つけて作成していかなければなりません。
グローバル治験の場合は、このモニタリング報告書を英語で書きます。
どれぐらいめんどくさいか、パッとイメージしづらいかもしれませんが、例えば、理系の方であれば毎日の実験について、実験した人・時間・内容・結果・考察、論文で調べた事項、教授とのディスカッション内容について、毎日書き漏らさず英語で報告書を作成するといった感じでしょうか。

自分の日々の作業をすべて英語に書き起こすなんて、なかなか面倒ですよね、、、
また、ベンダーへの問い合わせのメールも英語で書いたりします。
時にはメーカーの海外担当者へ直接メール(英語)することも。

自分が書いた英文がちゃんと相手に伝わるのか、返信がくるまでいつもドキドキしてます。笑
③英語のシステムを使う
治験を行うにあたって、いくつかのweb上システムを使ったりします。
こちらもグローバル試験の場合は、システムが全て英語のことが多いです。新しいシステムって慣れるまでは日本語でされ何かと不便なのに、英語だったらなおさら。
システムを使う最初に、システム開発者がトレーニングをしてくれる場合や、e-learningで学習できるスタイルもあったりしますが、こちらも音声やマニュアルが英語だったります。
そのため、ある程度の英単語知識や読解力が必要になってきます。日本語版のマニュアルも作成はされますが、画面表示はどのみち英語。

システムは業務上頻繁に使用するので、英語が全くできないと割とストレスになるかもしれません。
臨床開発モニター(CRA)と英語力:現役CRAが明かす、ここだけの話
これまでで、CRAが実務で英語を使う場面を紹介してきました。
いかがでしょう、

- CRAってこんな英語使うんだなあ・・・
- 英語自信ないから外資はやめておこうかな・・・
なんて、より一層不安になってはいないでしょうか。
でもご安心を!!
ここからは固い紹介は抜きで、現役CRAだから知ってる「ここだけのお話」を紹介します。
一見、非常に高い英語力が必要に見えるCRAですが、実際のところはどうなんでしょうか??新卒から現役で働く私の経験をもとにご紹介させて頂きます。
現役CRAが明かす、英語に関する「ここだけの話」3つ!
- 高い英語力は不要
- 「文明の利器」と「慣れ」でなんとかなる
- 出世には高い英語力が武器になる
ここだけの話:①高い英語力は不要
結論から言うと、一般的なCRAであれば、高い英語力は不要です。
留学経験、TOEICの高得点、外国人の友人がいるなど、英語に特化した特別なスキルもいりません。
もちろん、最低限の英語知識は必要になります。ただし、ある程度の英単語を知っていて、文法知識があれば大丈夫。
私は新卒でCROに入社後、グローバル試験の担当となりましたが、高い英語力なんてほど遠い私でもなんとか業務をこなしていくことができました。
ちなみに新卒当時のTOEICは400点前半。

お世辞にも高い英語力とはいえないですよね。笑
学生時代、英語から可能な限り逃げていた結果ではありますが、私自身の経験からも、CRAとして業務する中で高い英語力は不要ということが分かるかと思います。
ここだけの話:②「文明の利器」と「慣れ」でなんとかなる
では、そんな私が新人時代、どうやってグローバル試験を乗り切ったのでしょうか。
そう、誰もがご存知、「文明の利器:google先生」に毎日頼りながら業務をこなしました。具体的には、こんな感じ↓
- モニタリング報告書を書くときは、先ず日本語で作成して、google先生で翻訳、最終的に自己チェックして完了
- 英語の手順書を読むときは、先ずは全部コピペして、google先生にペーストして、概要を把握、細かい所は自分で読んでみて、分からなければ英語堪能な人に教えてもらう
多少時間はかかりますが、一瞬で読まなきゃいけない状況はほとんどないので、そんな感じで英語の読み・書きの部分を攻略していきました。
他にも、英語堪能な人の力を借りたり、よく使うフレーズや単語をエクセルにまとめておいたりと、出来る限りの工夫も+αで。
そうやって業務中に何度も英語に接していると、治験でよく使う単語や言い回し・フレーズなどを覚えてくるようになります。いわゆる「慣れ」ですね。
一度業務を覚えてしまえば、初見の英語でもだいたいの意味が予想つくようになります。

「文明の利器」と「慣れ」を上手に味方につければ、問題なくCRAの業務は出来ますよ!
ここだけの話:③出世には高い英語力が武器になる
CRAレベルであれば、前述の通り高い英語力は不要です。
その一方で、CRAの上のレベル、モニタリングリーダーやプロジェクトリーダーなどのプロジェクト管理側には、高い英語力が必要となります。
理由としては、前述の通り、プロジェクト管理側になると、CROの代表として依頼者との会議や各協議事項の対応にあたります。
英語で現在のモニタリング状況や問題点を会議で発表したり、依頼者から英語で送られてきたメールを理解し、日本語でチームメンバーに指示しないといけないかもしれません。
プロジェクト管理側の人間が全て英語堪能!って訳ではありませんが、グローバル経験が豊富な方や、英語に対して恐れずにアグレッシブな対応が出来る方が多い印象です。
また、CRAのキャリアアップとして、メーカーや同業他社の転職、MSL等の他業種への転職があります。
企業は即戦力となる人材を求めているので、基本的にキャリアアップを狙うならば英語力は必須。

- 将来はプロジェクトリーダーになりたい!
- いつかは転職してメーカーで働きたい!
という方は、コツコツと英語を勉強して、自身のスキルアップを目指していきましょう!

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就職前のアドバイス
さて、長くなりましたが、CRAの英語業務と実際についてお話してきました。
ここからは、就活生と転職者に分けて、それぞれへのアドバイスをお伝えしていきたいと思います。
就活生(新卒)で臨床開発モニター(CRA)を目指す方
就活生の場合、前述の通り最初から高い英語力は必要でないため、特段英語力がなくても引け目に思うことはありません。
もう一度いいますが、私の新卒当時のTOEIC点数は400点前半。
低いのは重々承知だったので、履歴書のTOEIC点数欄は空欄で出してました。笑
新卒採用の場合は、個人的には英語力よりコミュニケーション力など、CRAとして必要なスキルも持っているか?という点についてよく見られていると思います。
上記記事も併せてご覧頂ければと思います。
ただ、志望する会社が内資か外資によっては、新卒に要求するスキルも若干差異がありますし、外資では英語に関する試験もある会社もあります。
もし就活まで時間がある場合は、英語は勉強しておいて損はないので、少しずつでも取り組んでいきたいですね。
もちろん、留学経験や高い英語力を持っている方は積極的にアピールしてみましょう!
TOEICの点数でいうと、750点以上になると英語できるひと!と、認めてもらえることが多いです。
また、メーカーであれば選考基準にTOEICの点数が設定されてあるところがありますが、基本的にCROの場合は設定されておりません。

面接時に「英語は大丈夫?」って聞かれることもあるので、上手に答えれるよう事前の準備が大切ですね。
未経験から臨床開発モニター(CRA)を目指す転職者の方
未経験からCRAに転職する場合、ほとんどの方が医療関係者になります。(【未経験でCRAに転職】前職は何してた人が多い?転職の理由は?)
基本的に転職者の場合は、前職での医療知識や現場でのスキルを買われて入社することになります。
新卒とは違い、ある程度の即戦力さは必要になるため、英語に関してもある程度のスキルが欲しいところ。
とはいえ、上記で紹介した業務ができれば、CRAとしては特段問題ないはずです。

英語なんて社会人なってから全然勉強していない!
という方は、前職でのスキルを前面にアピールした上で、英語に関しては、苦手意識を持ちつつも、業務で学んでいこうという、積極的な姿勢があるといいかもしれませんね。
また、就活生と同様に、高い英語力がある方は一つのスキルとして武器になります。
実際、各CROはグローバル試験が増加していることから、英語に携わる仕事経験がある方や、堪能な人材を欲しがっています。
- 海外事業所への販売/営業/輸入担当
- 各種文献、書類の翻訳会社
- 海外法人をメインとしたシステムサービス会社
などなど、医療現場の経験がなくても、高い英語力を武器にして、CRAになる方もいらっしゃいます。
医療現場での経験+高い英語力があれば、鬼に金棒!

英語スキルの有無、医療経験の有無のみで判断するのではなく、ご自身が持つ前職でのスキルがどうCRAに活かされるか、考えていくといいかもしれませんね。
最後に
以上、「臨床開発モニター(CRA)と英語」についてフォーカスした記事でした。
いかがだったでしょうか。
CRAとして働いていれば、どこかしらで遭遇する英語。
英語力が高い人は是非とも武器に、低い人も怯むことなくCRAに挑戦して頂ければと思います!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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